旅人宿、「ゆきのおと」。
旅人宿（または「とほ宿」）とは主に一人旅をする人の為の民宿で、雰囲気としてはユースホステル的な感じ。
勿論、リーズナブルな料金で泊まることができる。
ここは福原小学校という廃校になった小学校の校舎をそのまま利用して
いて、学校の設備の大半がそのまま残されている。
この宿のある上川郡和寒町福原は、北海道でも屈指の寒冷地であり、
2005年には-38.1℃を記録している。(((( ；゜Д゜)))ブルブル
……で、この日の泊まり人は私一人だけ。A(^◇^;
夏場は泊まり人でにぎわうらしいけど、さすがにこの時期は非常に少ないらしい。(^^ゞ
まあ、真冬の北海道だとスキー場近辺とかのスノーリゾート地あたりは賑わうだろうけど、それ以外の場所を旅する人間なんて数える程だろうし。
そして、今夜は宿主さんの奥さんが「おめでた」（産後）とのことで札幌に居る為、宿主さん（無論、男）だけ。
つまり、野郎二人だけで真冬の北海道の一夜を過ごすことになる、と。（核爆
一通りの宿の施設の説明を受け、まずはサッパリしようということで風呂に入る。
ここで雪中風呂や剣淵温泉など近隣の温泉への遠征もできるとのことだったけど、天気がイマイチだったので
内風呂を使わせて貰うことにした。
その内風呂の壁には温度計が設置されていたけど、入った直後には『0℃』を指していた……。a(^-^;
この日の晩ご飯。
勿論、宿主さんとサシで食う。(^^ゞ
旅人宿はアットホームな宿なので家庭的なメニューが並ぶ。
ここは「ビールが進む」という辛口料理がウリだけど、辛いものにまあまあ強い私的に辛いと感じたのはキムチぐらいでした。a(^-^;
……で、
この席で宿主さんから衝撃の通告を受ける。
【宿主】「あの、申し訳ないのですが……」
【σ(＾＾)】「（モグモグ）はい？ なんですか？」
【宿主】「私の都合で、明日は7時半ぐらいに宿を出て欲しいのですが……」
【σ(＾＾)】「( ﾟдﾟ)ポカーン……」
【想定外 その二】発生……(゜◇゜)ガーン
要は、宿主さんがやっているアルバイトの都合で早くに宿を出ないといけないので、
当然私も宿を出ないといけない、と。
普通ならば『何を勝手なことを……』と思っていいところではあるけれど、この手の旅人宿を
経営されている方の事情はなんとなく分かっているつもりだったので、素直に了承した。
晩ご飯のあと、テレビのトリノ五輪開幕直前特番（翌早朝が開会式）を「聞きつつ」、ＪＲ道内時刻表を睨んで
明日の行程を組み直す。
＃「聞きつつ」と書いたのは、画像はノイズまみれだったから。a(^-^;
「駅すぱあと」をインストールしてあるノートＰＣを持参をしていたけど、色々と考えるときはに本のページを
捲りながら探す方が楽だと思う。
午後9時、「福原夜の散歩ツアー」に出発。
ツアーと言っても、単に宿の周囲の路約1.5kmを歩くだけ。
でも、街灯が殆ど無い真冬の北海道の夜道を歩くなんてのは貴重な経験。
気温はあまり下がっていなかったけど（とは言っても軽く氷点下）、手袋に上着のフードを被る完全装備で外に出る。
雪は相変わらずに静かに降っていて、往きに来た時につけてきた足跡も粗方埋まっていた。
時折、風が吹いて雪が舞うものの、吹雪という程でもない。
風の止み間に立ち止まって耳を澄ますと、「シーン……」という音が聞こえる。
この時間帯は通る車も皆無で他に人工音が出るような物が無い。
風と雪が生み出す音しか聞こえない。
正に、宿の名前でもある「ゆきのおと」が実感できる。
「ここ、川の上に架かる橋なんですよ」
宿主さんがそう言って指す先を見ても橋の欄干が雪の下で埋もれているから全く分からん。a(^-^;
無論、川自体も雪の下で埋もれているけど水の流れはその雪のトンネルを流れている。
この辺り、牧草地や畑地が広がるのどかな風景だそうだが、それらも全て雪の下。
途中、野良犬らしき足跡を発見。
足跡がズーーーッと続いている。
この厳冬に野良犬がほっつき歩いている？ ( ﾟдﾟ)ハテ？
さらに、複数の足跡発見。
エゾシカの足跡らしい。
その足跡が道端の高さ１メートル強の雪の壁に向かっている。
どうやらそこをよじ登ろうとしたらしいが、そこからまた足跡が延びていて少し先でまたよじ登った跡。
それが何ヶ所もあるので、宿主さんと共に「？」となる。
乗り越えようとして乗り越えられなかったようだけど、動物の考えることはよく分からん……（ ´−｀）
結局、その足跡は近所の家の『玄関前』を通って、山の奥の方へと向かっていた。
『人家の玄関先』をエゾシカの群れが通過……( ﾟдﾟ)ポカーン
小一時間ほどでツアー終了。
談話室のストーブで冷えた身体を温めつつ、宿主さんとあれこれと話しをする。
ちょっと気分が乗らなかったので、酒は遠慮させてもらった。
今度訪れたときにはお付き合いするようにしますので……。<(_ _)>
和寒の地や上川地方の色々な話が聞けて楽しかった。
と同時に、その地に行ってみたい気にもなる。（ぉ
あっという間に時間は過ぎ、午前0時。
明日は早いということで素直に就寝する。
旅人宿の特徴は、寝床が「男女別の同性同部屋」。
でも、今日は私一人……（´・ω・｀）ポツーン
まあ、何処でも好きな場所を選んで寝られるのはいいかと。a(^-^;
【2月11日（土） −２日目−】
6時少し前、目が覚める。
私は早起き派なので全く苦にならない。
窓のカーテンを開けると、雪が視界を遮っていた。
まあ、新潟の山間部には4メートル近く積もってる場所もあるけど。
朝ご飯を頂き、出発準備を整える。
朝ご飯の写真は撮ってないのでありませんが、パンとベーコン目玉焼きの家庭的な朝食。
出発前に明るい福原の風景を写真に収めておく。
「The 北海道の冬」という風景。
(・_・、)感動シタヨ
7時半、宿を出発。
これから予定外の自動車での塩狩峠越えをすることになった。a(^-^;
車のエアコンが全然効きません。(((( ；゜Д゜)))ブルブル
後日調べた和寒のこの日午前7時の気温は、-9.1℃。
ここ福原は和寒の街中から山一つ入った場所なので、確実に-10℃を
下回っていたと思う。
本当は-20℃ぐらいの酷寒を期待してたんですが……。（ ´−｀）
宿主さんの話だと、一月の方がずっと冷え込むらしい。
次は一月だな。（ぉ
塩狩峠を越える国道40号線は高速道路と見まごうぐらいになめらかな路。
昔はもっと急な峠路だったらしいけど、何度も付け替え工事をやって今のような路になったらしい。
ちなみに宗谷本線は、比布側では高性能を誇る261系ディーゼルカーの特急「スーパー宗谷」ですら息継ぎをするような
急カーブと急坂の連続だけど、峠のピークである塩狩駅を過ぎると和寒側は比較的なだらかな道程で峠を降りる。
塩狩峠を越え、比布の整然とした区画道路を通り、比布（ぴっぷ）駅に
到着。
宿主さん、ありがとう。(^-^)/
いずれまた、お世話になります。<(_ _)>
ページを変えてみる。
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